「ウォーキング」更年期への運動効果を解説
公開日:2025年9月29日

更年期の不調が気になるものの、何から始めたらいいのか分からない…そんな方にこそ試してほしいのが「ウォーキング」です。運動を習慣化することは、体力づくりだけでなく、自律神経のバランスを整えるのにも役立ちます。
本記事では、更年期にうれしいウォーキングの効果や、歩くタイミング・時間の目安などを分かりやすく紹介します。日常に取り入れやすい運動を探している方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
更年期症状<ウォーキング>の効果とは
なんとなく気分が落ち込んだり、汗をかきやすくなったり、眠れない日が続いたり……。こうした心や体の不調、いわゆる「更年期症状」には、外の空気を感じながらゆっくり歩くことで、気分がほぐれ、心と体を軽くする効果が期待できます。
更年期は、女性ホルモンの一種であるエストロゲンの分泌が不安定になり、それにともなって自律神経も乱れやすくなります。その影響で、ほてりや冷え、気分の落ち込み、不眠など、心や体にさまざまな不調が現れやすくなるのです*1 *2。
こうした変化に対しては、ウォーキングのような軽い有酸素運動が効果的。血流を促すことで自律神経の切り替えを助け、心身のバランスを整える手助けになります。
たとえば、毎日20〜30分程度のウォーキングを続けると、気持ちが落ち着き、睡眠の質がよくなるなどの変化がみられることも。リズムよく歩くことで呼吸が整い、自然とリラックスしやすくなるのもメリットの一つです。
「歩いても痩せない」のはなぜ?
「ウォーキングを始めたのに、体重がまったく減らない」そんな経験はありませんか?更年期の体は若い頃とは違い、痩せにくくなっていることが多いのです。
その背景には、女性ホルモンの一種であるエストロゲンの減少による代謝の低下や、筋肉量の減少などが関係しています*3。以前と同じ生活をしていても、消費できるエネルギーが少なくなっているため、歩くだけでは目に見える効果が出にくいのです。
さらに、ストレスや睡眠不足などもホルモンバランスや食欲のコントロールに影響し、体重が落ちにくくなる要因になります。
毎日歩く習慣があっても、間食が増えていたり、食事の量が多かったりすると、消費カロリーより摂取カロリーの方が上回ってしまい「歩いているのに痩せない」という結果になりやすいのです。
ウォーキングだけで減量を目指すのではなく、食事の内容や睡眠、ストレスとの付き合い方まで見直すことが大切です。「歩いても痩せない」と感じるときは、まずは生活習慣全体を振り返ってみましょう。運動と食事の両面からアプローチすることが、更年期のダイエット成功への近道です。
なお、生活習慣の見直しや食事の工夫については、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
いつ歩く?時間は何分?
更年期におすすめのウォーキング法
毎日の生活にウォーキングを取り入れるなら、1日20〜30分を目安に「その日の体調に合わせて歩く」のが、長く続けるコツです。決まった時間や距離にこだわるよりも、つらさを感じない程度の軽い運動を意識した方が、体への負担も少なく続けやすくなります。
更年期は、女性ホルモンの分泌が不安定になることで自律神経が乱れやすく、日によって体調に波が出やすい時期です*1 *2。朝にだるさを感じる日もあれば、夕方になると気分が沈むことも。気分が乗らないときは無理をせず、比較的調子がよい時間帯に歩くことで、前向きな気持ちで運動を習慣化することができますよ。
朝のウォーキングは、朝日を浴びながら歩くことで体内時計(概日リズム)が整いやすく、夜の眠りにもよい影響を与えます。逆に夕方は、気分の切り替えやストレスの発散に役立つとされており、気持ちのリセットに向いています。
どのコースを歩くかによっても、続けやすさが違ってきます。自宅のまわりや静かな道、公園の遊歩道など、安心して歩ける場所を選ぶと、リラックスできてより効果的です。
更年期のウォーキングで大切なのは「毎日きっちり歩くこと」ではなく、自分の状態に合わせて、できる範囲で取り組むこと。体が重く感じる日や時間がとれないときは、通勤や買い物の移動を徒歩に替えるだけでも、良い気分転換になりますよ。

執筆者
立岩 奈緒
看護師・医療コラムライター
看護師として、9年間病院で勤務。
血液内科・神経内科・整形外科・婦人科外科・泌尿器科を経験。
現在は3児の母として家事・育児に奮闘しながら、Webライターとして医療・健康に関するコラムの執筆をしています。
読者の皆さまが抱える悩みや不安に寄り添い、少しでもお役に立てる情報をお届けできれば幸いです。
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