性感染症とは?見逃さないで、その“サイン”

公開日:2025年10月6日

「性感染症」とは性行為を通じて感染する病気の総称であり、一度でも性行為の経験があれば、誰でもそのリスクがあります。なかでも「梅毒」の感染者が近年急増しており、特に2022年以降は年間1万件を超える報告が続いています。

*性感染症は、放置すれば自分の体に深刻な影響を与えるだけでなく、知らないうちに誰かにうつしてしまうこともあります。自分自身だけでなく、大切な人を守るためにも、正しい知識を持っておきましょう。

※参考:厚生労働省 梅毒について

「性感染症」の種類

  • 梅毒
    感染者が急増しています。初期には性器や口に「しこり」や「ただれ」ができ、その後全身に発疹が広がります。妊娠中の感染は胎児への影響が大きく、早産や奇形のリスクが高まります。
  • 性器クラミジア感染症
    最も多い性感染症。多くは無症状ですが、おりものの増加や喉の違和感が出ることもあります。進行すると不妊や母子感染のリスクが高まります。
  • 淋菌感染症(淋病)
    女性は症状に気づきにくいですが、濃いおりものや尿道からの膿が出ることがあります。放置すると子宮外妊娠や不妊の原因になることがあります。
  • 性器ヘルペス
    水ぶくれやただれ、強い痛みが特徴です。治療してもウイルスは体内に残りやすく、ストレスや体調不良で再発することがあります。
  • 尖圭コンジローマ
    HPV(ヒトパピローマウイルス)によって性器や肛門まわりにカリフラワー状のイボができます。多くは自覚症状がなく、気づかないうちにイボが増え、とさか状になることもあります。
  • HIV(ヒト免疫不全ウイルス)
    感染初期は発熱や筋肉痛など風邪に似た症状が現れることもあります。その後、無症状の期間が長く続き、免疫力の低下とともにエイズを発症する可能性があります。

※参考:厚生労働省 性感染症について

性感染を防ぐには

東京都保健医療局では、性感染症の予防策として以下の3つの選択肢を提案しています。

  1. NO SEX(性行為をしない)
    最も確実な予防法は、性行為を控えることです。特に、不特定多数やよく知らない相手との性行為は避けるべきです。性行為をしないことで、感染のリスクを完全に排除できます。
  2. SAFE SEX(安全なセックス)
    信頼関係のあるパートナー同士でも、過去に性感染症の感染歴がないかを確認することが重要です。お互いの健康を守るために、必要に応じて検査を受けることも有効な手段です。
  3. SAFER SEX(より安全なセックス)
    コンドームを正しく使用することは、性感染症の予防に非常に効果的です。使用期限を確認し、保管方法や取り扱いにも十分に注意を払いましょう。コンドームを正しく使用することで、感染リスクを大幅に減らすことができます。

性感染症は予防することができます。自分とパートナーの健康を守るために、これらの予防策を意識しましょう。

気になることがあったら医師へ相談!

性感染症(STI)は誰にでも起こりうる身近な病気です。しかし、「恥ずかしい」「自分には関係ない」と受診をためらってしまう人も少なくありません。放置すると不妊や他者への感染につながることもあるため、早めの対応が大切です。

最近では、自宅で使える郵送検査キットやオンライン診療も充実しています。強いかゆみやおりものの変化、パートナーに感染の疑いがある場合など、少しでも不安を感じたら、ためらわず医療機関に相談しましょう。