電力自由化で自由に選べる電力会社・事業者 ライフスタイル別のかしこい選び方とは?
公開日:2016年3月18日
更新日:2025年10月14日

電力自由化により、既存の電力会社、そして新規に電力事業に乗り出した企業が、開かれた市場で競争することになりました。各事業者が提供する料金やサービスの質は多種多彩。消費者からすれば、携帯電話や保険のようにライフスタイルに合わせて、最適な料金プランを自由に選べるようになりましたが、裏を返せばその選択には「責任」も伴います。つまり、より安くて便利なサービスを享受できる可能性もある一方で、選び方を知らない、もしくは間違えてしまうと、かえって電気代が高くなってしまうことも。電力会社は、自己責任で選ばなければなりません。
電力会社選びの第一のポイントは「使用電力量」
では、電力会社を選ぶときのポイントはどこにあるのでしょうか?
ポイントになってくるのは「使用電力量」。自由化前の家庭向け料金プランは、電気を多く使えば使うほど単価が高くなるものが基本でした。たとえば、東京電力の「従量電灯B」の場合、月間の使用量が120kWhまで1kWhあたり29円80銭、120kWh~300kWhまでは1kWhあたり36円40銭、300kWhを超えると1kWhあたり40円49銭と段階的に値上がりします。自由化後も基本的に同様の仕組みを踏襲する事業者もありますが、一定の割合で値引きが受けられるプランや電気を多く使うと割引率がアップするプラン、一定の使用量まで定額というプランを導入する電力会社も出てきています。

使用電力量にかかわらず、常に一定の割合で値引きが受けられるプランは、「一律割引型」と呼ばれます。たとえば、ある事業者の場合、40A契約なら一律5%割引で利用することが可能になります。
電気を多く使うと割引率がアップするプランは、「割引率変動型」といいます。J:COMなどが採用しており、先ほどの東京電力従量電灯BとJ:COMのプランを比較した場合、1~120kWhで0.5%割引、121~300kWhで1%割引と小さな割引率になっていますが、301kWhを越えた電気代に関しては3%割引となります。つまり、電気を使えば使うほど割引率が大きくなるので、電気使用量の多い家庭向けということができます。
見るべきは電気代だけじゃない!? 賢い電力の買い方とは
そもそも電力事業は“薄利多売”の世界で、事業者からすれば“電気代だけで他社との差別化を図ることは難しい”という実態があります。そのため、各事業者ともプラスαの付加サービスの充実に力をいれています。私たち消費者も、価格面だけではなく、サポート体制やその他の付加サービスを含めた「総合力」で選ぶことが大切です。
たとえば、電話やガス、インターネット回線などを同時に契約したり、ガソリンや旅行サービスを利用したりすることで「セット割」が適用されるプランなどは総合力に長けているといえます。特に、通信系企業が用意しているプランは、電気料金と合わせてインターネットや電話代の支払いができるものも少なくなく、月々の煩雑な支払い作業が減り、請求書をまとめて管理できるメリットなどが考えられます。
どうしても価格に目が行きがちですが、最も賢い選び方は、どの事業者のプランが、自分のライフスタイルにぴったり合っているのかを見極めること。日々の生活にこれまで以上の安心と利便性を求めるなら、各社が提供するサービスの総合力を見比べて、じっくりと検討してみる必要があるのです。