電気ケトルや電気ポットの電気代はどれくらい?
公開日:2016年3月18日
更新日:2025年10月14日

日常生活でお湯を沸かす場面、最近はやかんよりも、電気ケトルか電気ポットを利用する人も多いのではないでしょうか。その電気ケトルや電気ポット、電気代はどれくらいかご存知ですか?
電気ケトルと電気ポッドの違い
まずは、それぞれの目的や特徴について整理しましょう。
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電気ケトル
ケトルとは、日本語で「やかん」を意味します。電気ケトルは、必要なお湯を必要な分だけ沸かすことを目的にしています。そのため容量もそれほど大きくなく、ハンディタイプのものだと1リットル前後が主流です。また、保温機能が付いているタイプやお湯の温度を調節できるタイプも販売されています。
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電気ポット
電気ポットは、大量の水(2~5リットル前後)を沸騰させ、保温することを目的とした電化製品です。沸騰後に指定した温度を保持する保温機能があり、一度沸かせばいつでもお湯を使うことができます。また、保温時の消費電力を抑えるために魔法瓶のような真空断熱構造になっている「VE電気まほうびん」と呼ばれるタイプもあります。
電気ケトルと電気ポットの電気代
次に、全国家庭電気製品公正取引協議会が定める「電力料金目安単価」の31円/kWh(税込)で、それぞれの電気代を計算してみましょう。
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電気ケトル(容量1.2リットルを想定)
消費電力は1,300W前後のものが多いようです。1.2リットルのお湯を沸かす時間を6分(定格消費電力1300W、室温・水温23℃の場合)とした場合、電気代は1.3kW×0.1時間×31円=4.03円となります。
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電気ポット(容量2.2リットルを想定)
容量2.2リットルの電気ポットの場合、定格消費電力は700w~905wとなっています。ただし、電気ポッドは沸騰だけでなく保温機能もあるため、定格消費電力だけでは電気代を計算できません。そこで、日本電機工業会自主基準(室温23℃、湯沸し2回/1日、 再沸とう1回/1日、保温90℃で23時間/1日、365日/年間、その他水量等の試験条件:HD-112に基づく)により測定し、メーカーが公開している1日当りの消費電力量 から計算していきます。
2025年に発売された主要メーカーの容量2.2リットルの電気ポットを見てみると、1日当りの消費電力量 はVE電気まほうびんタイプで0.60~0.78kWh/日 、通常タイプで0.98kWh/日となっています。
つまり、VE電気まほうびんタイプは0.60kWh/日×31円=18.6円から0.78kWh/日×31円=24.18円、通常タイプは0.98kWh/日×31円=30.38円、1日あたりの電気代がかかることになります。
用途が違う「電気ケトル」と「電気ポット」

電気ケトルの方が電気代は安く済みますが、そもそも電気ケトルと電気ポットはもともとの用途が違います。
電気ケトルは、少量のお湯を沸かして持ち運んで使用するものです。そのため本体サイズも小さく、軽く持ち運びやすい作りになっています。つまり、電気ケトルは使い切ることを前提にお湯を沸かすための家電です。コーヒーや紅茶、緑茶を入れる際にお湯の温度にこだわりたい方は、温度調節機能付きのものを選ぶとよいでしょう。
それに対して、電気ポットはたくさんのお湯を沸かして保温し、本体は動かさずに使用することを目的にしています。そのため、本体サイズも大きく、重くて安定した作りになっています。熱が逃げにくい構造を持ち、いちいち沸かさずにお湯を使うことができるのが電気ポットの利点で特徴です。1日に何回もお茶をいれるといった方は、電気ポットの方が使いやすいでしょう。
電力自由化がスタートし、家電だけでなく、小売電気事業者も選べるようになりました。毎月の電気代が気になる人は、電気を買う相手も、自分のスタイルにあったベストな選択をしたいものですね。
<関連ページ>
- 電気料金は、全国家庭電気製品公正取引協議会が定める「電力料金目安単価」の31円/kWh(税込)で算出しています。
- 電気料金の試算金額は、参考目安です。
- 実際に請求される電気料金には、石油や石炭などの燃料価格によって変動し加算される「燃料費調整額」と、再生可能エネルギーを用いた発電補助のための「再生可能エネルギー発電促進賦課金」が含まれます。