ONU（光回線終端装置）とは？
モデム、ルーター、ホームゲートウェイとの違いを解説
光回線の契約の準備で「ONU」という言葉を耳にして、何のために利用する機器なのか、気になっている方もいるのではないでしょうか。
ONUは、回線を伝わる信号と、パソコンなどが認識する信号を変換する機器で、光回線を使うために必須となるものです。
この記事では、ONUとは何なのか、モデム、ルーター、ホームゲートウェイとはどう違うのかなどについて解説します。光回線の通信機器の基本知識を押さえていきましょう。
ONUとは
ONU（Optical Network Unit）は、日本語では「光回線終端装置」と呼ばれています。光回線のインターネットで、光信号とデジタル信号を相互に変換する機器です。
光回線では、光ファイバーケーブル上で光信号が伝送されて、情報が伝達されます。光信号による通信のため、通信速度が高速であることが特長です。
光ファイバーを通じて伝達された光信号は、各家庭のONUで光信号からパソコンやスマホなどで使われるデジタル信号に変換されて受信されます。
また、パソコンやスマホからデータを送信する際は、ONUでデジタル信号が光信号へ変換されて、光ファイバーで信号が伝達されます。
このように光信号とデジタル信号を相互に変換することが、ONUの役割です。
なお、ONUは一般的に契約先の光回線でレンタルされるため、利用者自身で用意する必要はありません。自宅での派遣工事がある場合は、工事担当者が設置してくれます。
また、自宅での工事がない無派遣工事になる場合は、ONUは郵送で自宅に届くので利用者自身で設置します。
ONUとモデム、ルーター、ホームゲートウェイとの違いは？
ONU以外の通信機器としてモデム、ルーター、ホームゲートウェイといった機器もあります。ONUとそれぞれの機器の違いを以下で見ていきましょう。
ONUとモデムの違い
モデムは、アナログ信号とデジタル信号を相互に変換する機器です。ONUとモデムは変換する信号が異なり、利用される場面が異なります。
ONUとモデムの違いをまとめると、次のとおりです。
| ONU | モデム | |
|---|---|---|
| 変換する信号 | 光信号⇔デジタル信号 | アナログ信号⇔デジタル信号 |
| 設置される回線の例 | 光回線（戸建 or 光配線方式のマンション） |
|
電話回線を通じて通信をする「ADSL」と呼ばれるインターネット回線では、アナログ信号が利用され、アナログ信号とデジタル信号を変換するモデムが必要となります。
また、マンションなどの集合住宅の光回線では、マンションの共用部分まで引き込まれた光回線を各戸まで配線する方法が3種類あります。電話回線を利用するVDSL方式の場合、自宅にはVDSLモデム（VDSL宅内装置）が設置されます。
| 光配線方式 | LAN方式 | VDSL方式 | |
|---|---|---|---|
| 共用部分から各部屋までの配線 | 光回線 | LANケーブル | 電話回線 |
| 自宅に設置される機器 | ONU | 終端装置は不要 | VDSLモデム |
そのほか、同軸ケーブルを使ったケーブルテレビのインターネットでも、自宅にモデムが設置されます。
いずれもアナログ信号とパソコンなどが認識するデジタル信号を変換するためにモデムの設置が必要になるわけです。戸建などの光回線とは変換すべき信号が異なるため、設置される機器も異なります。
モデムの役割や、機器を交換する際のタイミングと手順については以下の記事でも解説しています。
ONUとルーターの違い
ルーターは、複数台の端末をインターネットに接続するための機器です。Wi-Fiでスマホやパソコンをインターネットに接続する目的でも利用されます。
ルーターには厳密にいうと、Wi-Fiに対応した「無線LANルーター（Wi-Fiルーター）」と有線接続のみに対応する「有線LANルーター」の2種類があります。ただし、現在では無線LANルーターが主流で、ルーターというと無線LANルーターをさすことも多いです。
ルーターは、ONUやモデムに接続して使用します。ONUやモデムに直接LANケーブルでパソコンなどに接続できますが、ルーターを介することで、Wi-Fiで接続できたり、複数の端末を接続できたりするメリットがあります。
ONUは信号を変換する機器であり、ルーターはWi-Fiを飛ばしたり複数の端末を接続したりするための機器です。ONUとルーターでは、それぞれ役割が異なります。
また、ONUは契約する光回線で貸し出されますが、ルーターは多くの場合、利用者自身で用意しなければなりません。この点もONUとルーターの違いとなります。
Wi-Fi ルーターの概要については以下の記事にて詳しく説明していますので参考にしてみてください。
ONUとホームゲートウェイの違い
ホームゲートウェイは一般的に、光電話、ルーター、ONUなどの機能が一体になった複合機器のことです。光電話を契約した時などに、ホームゲートウェイが自宅に設置されます。
ホームゲートウェイの種類は、ONU一体型のタイプや、ONU機能がないタイプの大きく2種類です。
ONU機能がないタイプのホームゲートウェイは、ONUを自宅に設置する必要がないLAN配線方式のマンションや、あとから光電話を追加で契約した場合などに設置されることがあります。
ONUがONUとしての機能のみを果たすのに対し、ホームゲートウェイは、光電話のための機能やルーター機能など複数の機能を果たしています。
ONUの接続方法
ONUは光ファイバーケーブルで光コンセントに接続して使用します。
光コンセントは、光ファイバーケーブルを挿し込み口に接続し、開通工事の際に設置されるものです。賃貸アパート・マンションでは入居の時点で、光コンセントがすでに設置されていることもあります。
また、ONUにはLANケーブルでルーターを接続します。
ルーターの挿し込み口にはLANと記載された「LANポート」と、WANやINTERNETなどと記載された「WANポート」の2種類があります。ONUと接続するLANケーブルは、WANポートに接続します。
あとは、ルーターの初期設定をして、パソコンやスマホでWi-Fiの接続設定を済ませれば、インターネットが利用できます。
なお、パソコンをルーターに有線接続したい場合は、LANケーブルで、パソコンとルーターのLANポートを接続します。そのほか、ルーターなしでパソコンをONUに直接LANケーブルで接続する方法でも、インターネットが利用できます。
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まとめ
ONUは光信号とデジタル信号を相互に変換する機器で、戸建で光回線を契約した時などに設置されます。
モデムはアナログ信号とデジタル信号を変換する機器、ルーターは複数台の接続のための機器、ホームゲートウェイは光電話、ルーター、ONUなどの機能が一体になった機器です。それぞれONUとは役割が異なります。
ぜひ光回線の通信機器の基本知識を押さえて、契約の準備を進めていきましょう。
また、光回線を利用するメリットや、実際に手続きや工事を行う手順については以下の記事でも紹介していますので、こちらも参考にしてみてください。
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